舞台「ふしぎ遊戯」※ネタばれあり
舞台「ふしぎ遊戯」2015/3/19~29
in品川プリンスホテル クラブEX
私は昭和生まれのおたくなので、ふし遊アニメにどっぷりはまった世代(あのED導入効果は後世に語り残したい)としてはこの舞台化に行かないという選択肢はなく、アミプロ版過去3作も全部見ております。
今回、突然のネルケ版ふし遊発表に戸惑いながらもワクワクと楽しみにしておりまして、
見に行ったので感想を残そうと思い久々にPCを開きました!以下感想!
一言で言うと「ちょうたのしかった!!!」です笑
↓以下感想ネタばれあり
当初発表のキャラビジュは衣装も原作と違うし、そもそも主役鬼宿だし、と原作ふし遊と違う感じをにおわせていました。
しかし実際見たら間違いなくふし遊の世界だったんです!!!
話は結構原作の流れとも中身も違いましたが
鬼宿と美朱とのギャグテンポのよいかけあいや、七星士同士の細かいやり取りなど、生き生きと描かれていて、ずーーーっと楽しくて幸せでした。
舞台作品としてコンパクトにまとまっていて、最後に一斉に派手なアクションをバンバンこれでもか!と見せるわかりやすさもエンタメとして良かったなぁと感じました(単純に私がわかりやすくて派手な展開が好きって言うのもある)
先にこの舞台の良かった主格部分の結論をかくと、ふし遊のキャラって改めて魅力的だと思ったことと、役者の皆さんがその魅力を舞台上で120%キャラとしてぶつけてくれてるなぁと全体通して感じられる作品でした。
なによりも初主演、初舞台のキャン様(金爆・喜矢武豊さん)が思っていた以上に素晴らしかった!
演技も殺陣も及第点以上というかやはりステージに立つパワーの吸引力にぐいぐいみせられましたし、がむしゃらさも含め等身大の鬼宿を感じられました。以前の平野君は完璧すぎる原作の鬼宿だった分、衣装などアレンジがきいた今作の主格としてとてもよかったとおもいました(そして別に手を抜いてるわけでも、キャン様ありきの舞台だとは全く感じませんでした)
途中の太一君の日替わりとか、みんなに視野がいってて座長だなぁと感じましたし体を張ってて面白かったです笑
他のキャラも本当に魅力的でたまりませんでした。
美朱ちゃんは演技上手で間の取り方がまさに美朱で、愛きょうたっぷりでヒロインとしての見ごたえ抜群でした。
唯ちゃんはキャラショから原作よりの髪型に変わってて、クールビューティなたたずまいが寂しげでもあり高慢でもあり唯様にふさわしかったです。
七星士の男性キャストに関してはミュキャスわらわらだったけど、だからよかったのかも?とちょっとおもいました。というのも、テニミュにおいてのベンチワークのやり取りに似たものをキャラ同志の会話の自然さの中に感じたからです。そしてそれがアミプロ版には残念ながら詰め込み具合も含めあまり感じる事が出来なかったのでこーいうの待ってました!とおもいました。
特に今回はテニミュ以前から2.5次元舞台の経験もあるような方しかいなかったし、キャラを表現してファンが見たいようなキャラが自然に生きてる風に見せるのうまいな!と感じたのでした。
みんな凄かったけど、もう柳宿の染くん、本当に、すごくいいオカマでした。
アメグレのニコラちゃんとは真反対だったけど、女子力の高さにおののきました。星宿さまを見る目も隙がないし美朱に「全くアンタはしょうがないわねぇ」というセリフがはまりすぎていた・・・おっぱいないのが不思議だったけど、実際柳宿がオカマとしていたらこんな感じなんだというリアルを感じる事が出来ました。
井宿の古川くんとかもう見た目がすごく井宿だし、独特の口調もはまってました。
(星宿のいっけい君と古川君をならべてみると剥いた卵のようにお肌すべすべぷにぷにだなっておもった)電波受信じゃなく大人な井宿を垣間見ました。
翼宿の碕くんは、一か月前のハトミュと打って変わって、そして謙也さんともちがう、まさに翼宿で、原作も読みこんでいるんだろうなぁというのが鬼宿のたま呼びからもにじみ出ていました(私が見に行った回は山賊時代の幻狼ネタもはさんでて嬉しかった!)
心宿のゆうくんは、実際前回の寿里さんがすごすぎたので心配しかなかったのですが(笑)別アプローチが絶妙に生かされていてカッコよくて不敵な心宿でよかったです。声も低音でかっこいいし、朱雀七星士と闘うとこの表情がめっちゃカッコよかった。原作は甲冑だけど衣装ほんとよかったです!おしいのは武器の刃の部分の作りがショボク見えてしまったことかなぁ・・・。背があるから振りかざしの迫力もよかった(動きがたまにフワアッってなってたけど笑)
軫宿のひろくんはアクセントというかスパイス要素も強くていいとこもっていくなぁとおもったし、今なら軫宿の嫁になりたいと強く思いました。日替わりの強さもすごいし誰よりもとび蹴りの足が上がってるのもさすがだと思いました。かといえば、張宿にあたまポンポンする可愛さ・・・。
張宿の未来ちゃんもリアル年齢の子がやるのも面白いし、アイドル感かんじてなるほどなと思ったし、
亢宿の澤田君は、あの短い尺の中で亢宿の葛藤や未熟さも感じられる演技をしていてすごく幸せでした。
欲を言えばもっとエピソードを足してみたい!とおもう反面、今回のコンパクトなテンポだからこその面白さかなとも思えたし、舞台装置や場展もおもしろくて、「舞台としての面白さ」も楽しめる作品だと思います。
個人的には亢宿と角宿が大好きなので、兄貴が死なない終わり方で結構救われました。(でもあの双子エピには出来ない終わり方なのだった)
過去あみぷろ版のふしゆ舞台は周囲では賛否がおおい作品だったし、実際に朱雀編の思い出は
・サンモールの椅子とお尻の戦い
・亢宿の出番が三時間のうちの10分
という感じでした。
今思えば原作に忠実であろうとするあまりキャラも多く、アンサンブルも多く、原作エピソードも盛りだくさん、の割にテンポや場展がイマイチ・・・という2.5次元舞台におこりがちな事が起こっていた印象です(そして長かった)ふし遊って結構ハードでシリアスな内容も多いので全体的にシリアス度高めかなぁという印象を受けました。
ですが原作メインキャラの鬼宿(平野良さん)と心宿(寿里さん)の再現率が本当にものすごくて、他の役者さんも似ていてキャラが居る楽しさを味わえる舞台でした。
似てたけど心から舞台として楽しかったかは疑問、という後味だったので、今回も似てないとか話が詰まんないという可能性を考えつつハードルは下げ気味で見ました。
でも結果大満足な観劇になり幸せで一杯です。
昨今、2.5次元舞台が沢山うまれている中で、舞台化の良さは
忠実であることではなく、原作への愛を感じられるか否か、舞台化したことで楽しめる新しい魅力の開拓なのだな、と今回ふし遊を見て改めて感じました。
改変しても愛と工夫のある作品はこうして良い作品になるのだと思います。
こんなにアレンジしたことで良いとは思いませんでした。
多分作品の雰囲気がキャラの根幹がぶれてないからなのでしょう。
続編などは難しいかもしれませんが、また是非このメンバーで朱雀を呼び出す所まで見てみたいなと願ってやみません。
29日はライビュもあるそうなので、気になった方は是非~